電子カルテの仕組みと導入メリット

医療機関にかかると、医師がパソコンに向かって何かを入力している光景を見かけたことがあると思います。電子カルテといって、かつては紙に書いていた記録が今や電子化されているのです。電子化によって、患者と一緒に画面に血液検査の結果をグラフ化したものが表示できたり、CTやレントゲンといった画像を患者と一緒に見ることができたりと説明場面でも随分と活用されています。医師以外の他職種との情報の共有で連携もしやすくなっています。今や医療現場になくてはならないものです。その仕組みとメリットについて紹介します。

電子カルテの基本的な仕組みについて

カルテの電子化が始まる前に最初に電子化となったのは医事会計システムです。保険診療では患者は窓口で一部負担金を支払い、残りは医療機関が保険者に請求します。このときに必要になるのが診療報酬明細書で、1患者に月ごとに1枚ずつ作成しなければならず、その作業は膨大でした。いろいろな産業でOA化が進んだと同時にまず、医療事務の分野でシステムが出来上がりました。 次にオーダリングシステムが生まれます。医師が検査や薬など指示を出すと医事会計システムや各現場のシステムに反映するというものです。電子カルテはもともとあったこれらを土台にし、診療記録ができるよう改良されたものです。例えば、検査オーダーといって検査の指示に対し、検査結果を返してもらい、コンピュータに反映させるといった具合にしてできました。 さらにスムーズに診療ができるよう、診察の際に使う図(シェーマ)や症状を簡単に入力できるテンプレートなどの機能が搭載されています。一般のワープロなどの記録と異なり、改ざんを防ぐために真正性が保たれているもの特徴の一つです。

コスト面だけでなくさまざまなメリットが魅力

電子化はコスト面だけでなく、さまざまなメリットが生まれます。それは患者側にも医療従事者側にも言えるものです。まず、患者側としては、わかりやすいということが言えます。手書きでは何が書いてあるのかわからないものであっても、タイピングされた文字ならわかりやすいでしょう。 また、冒頭にも触れましたが、蓄積されたデータからグラフを表示して説明を受けたり、画像を実際に見せてもらえるというのもあります。医療従事者側からすれば、情報の共有が容易であるというメリットがあります。今までの紙のカルテだと現物が一つで、誰かが使い終わらなければ、次の人が見ることができませんでした。電子化であれば、アクセスすることによって、同時に見ることができます。コスト面でも紙カルテでは保管場所が必要でしたが、電子化によって保管場所の確保という点では軽減されています。 ペーパレス化もコスト削減につながります。また、クラウド型の記録では、往診の際に膨大な資料を持っていかなくても、タブレット端末さえ持参すれば、記録もつけられ、データもみられるという利点も生まれます。
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